開発教育ってなに?
☆国際理解教育を補完し、進化させる教育としての開発教育
学校で行われている地球的視野に立つ教育は”国際理解教育”である。その充実には、今日的な課題(地球的諸課題)への対応が必要である。
そのためには、遠い世界の出来事を単に知識として得るのでなく、参加型の学習で、身の回りの世界のつながりを理解する学びが求められる。
このような学びが開発教育である。”開発教育”という名称は「ほんとうの開発のあり方」を考えようとするところから来ている。
学校教育では国際理解教育が中心であるが、異文化理解に大きく傾き、単発のイベント学習になりがちな現状がある。
それに対して開発教育は、参加型の学びを提案し、課題学習を展開することで国際理解を補完し、さらに国際協力にまでつながる教育である。
☆開発教育とは〜誕生と展開〜
元来、開発教育(development education)は、1960年代の南北問題(南の国々の貧困や南北格差)への関心に伴い、欧米諸国のNGOが主体となって誕生した。
初期の開発教育は、旧植民地に人道的援助を供与するための教育であった。それが1970年代になると、南の貧困の根本原因やそれに関わる北の責任を考える教育へと発展し、その後も、時代状況を反映するかたちで発展してきた。
日本では、1979年のインドシナ難民問題あたりから国際化の機運が高まり、1980年代半ば以降の外国人労働者の急増で、南の国々が身近なものとなった。
また、1990年代の国連環境会議(1992)での「持続可能な開発」や社会開発サミット(1995)での「社会開発」など国際会議の舞台で開発を問う動向は、私たちの地球的課題への関心を高めてきた。
☆開発教育とは〜ねらいと特徴〜
今日の開発教育は、「地球規模で考え行動する」という言葉もあるように、いきなり世界のことを考えるより、身近な地域の問題から世界とのつながりを考えようとする傾向にある。
例えば、教室に異文化の児童がいれば、その子を周辺に追いやらない視点を持つことから始まり、在住外国人との共生を考えることで、世界との共存を目指したり、ごみ問題を生み出す社会のあり方を問うことで、地球環境につなぐことを目指す。
このような開発教育の特徴は、次のように整理できる。
(1)起源は市民の手で始められ、今も市民によって支えられている。
(2)共に生きることのできる公正な地球社会を模索する教育である。
(3)開発とは、私たち自身のものでもあり、そのあり方が問われる。
(4)参加・行動を重視するゆえに、その学びの方法も参加型である。
☆地域と共に学ぶ開発教育の展開
今日の学校教育には、「自ら学び、自ら考える」新しい’学びの転換’の流れがある。そこでの3本の柱を挙げるならば、「総合的な学習の時間」、「地球的な視野」、「開かれた学校」が考えられる。
すなわち、これからの学校教育で求められる学びは「総合的な学習の時間で、身の回りから世界につながる学びを、地域と共に」となるであろう。
受身の授業からの’学びの再生’が問われる学校では、学校と地域の連携が大きな課題となっている。開発教育は、学校と地域の’学びの共同体’を築くための参加型の学びを提起している。
