NGO-JICA協議会2020年度第1回オンライン開催、埼玉NGOネットワーク参加

6月30日(火)、全国の国際協力NGOと政府開発援助(ODA)実施機関の国際協力機構(JICA)の正式な協議の場である、NGO-JICA協議会の2020年度第1回会議がオンラインで開催された。参加者はNGO32名、JICAは担当理事・国内事業部長等72名、外務省のゲストに民間援助連携室長など2名。埼玉県からは埼玉NGOネットワーク、国際協力NGO・Ⅳ-JAPAN(冨永幸子代表理事など)、上尾市国際交流協会からの参加が有った。議題は盛り沢山で2時間30分でも足りない感じだ。
議題1のNJ協議会実施方針の中で、今回の全国協議会と併せて地域の課題を含めてより具体的に議論するNGO‐JICA地域協議会が2019年度に各地で開催された。埼玉県では埼玉NGOネットワークとJICA東京が1月に協議した内容が資料1の5頁に掲載された。2020年度も継続が確認された。
コロナ緊急対応におけるNGOとJICAの連携に関して、JICAの緊急対応として、途上国における取組強化と国内での外国人材支援の国内外の取り組みが打ち出された(資料1の17頁)。JICAの多文化共生への支援は以前から検討されていたが、新型コロナウイルス感染を機会に具体的に進める様だ。これによって、自治体及び多文化共生NPOとJICAとの連携は新しい一歩を踏み出す可能性がある。
NGOの緊急対応として、新型コロナウイルス感染状況でのNGOの役割、緊急活動事例、コロナ禍でのNGOの課題などがまとめられている(資料1の20頁)。途上国での現地カウンターパートと協働しての緊急活動と共に、JICA草の根事業の中断などNGOの運営への影響も出いている。
JICA の寄附金事業 「国内パートナーと協働した SDGs 推進事業」については、今後の具体化の中で、JICAと協働して埼玉NGOネットワークの役割を検討していく必要がある。
認定NPO法人国際協力NGOセンター(JANIC)の全国のNGO調査の一環として、日本最大級の監査法人トーマツグループのデロイトーマツに委託した「NGO(及びNPO)における受託事業における人件費単価水準調査」(資料2)の報告は、人件費単価が低水準である現状・国際比較、その原因、NGOの課題などが専門会社により明確にされている。JICAの途上国での支援事業はNGO、民間企業、自治体に委託されているが、NGOの人件費水準の低さが、JICA担当者からも指摘されていた。
上記の様に日本の主要NGOでさえそうなのであるが、埼玉県では大半が中小NGOで、有給専従職員や専用事務所を持たない無償ボランティアによるボランティア型が多い。自己資金での事業は無報酬、JICA草の根事業の委託事業でも人件費は低水準にとどめ、途上国支援へより多く回す事を美徳とする傾向がある。結果的に、組織の基盤を脆弱なままにして、組織の持続性、事業の継続性を損ねるリスクを抱えている。市民性、ボランティア性と専門性、組織確立、持続性の兼ね合いは中小NGOの課題となっている。

2020年6月30日
NPO法人埼玉NGOネットワーク
事務局長加藤 陽一