一般社団法人AAAアジア&アフリカの国内災害支援活動

アフリカのウガンダやタンザニアで農村開発・環境保全・教育などの国際協力事業を実施している一般社団法人AAAアジア&アフリカ(埼玉NGOネットワーク団体会員)は、同時に国内での災害支援活動も行っている。国際協力の経験を活かした国内支援活動について、山崎毅史代表理事に寄稿をいただいた。

 

九州で発生している相次ぐ災害に対し、九州・沖縄地域に特化した支援体制の強化が必要と判断し、九州在住の会員と 熊本地震での支援活動に参加したボランティアメンバーで、地元団体とも協働して新たに「農業災害復旧ボランティアサポート協議会」発足しました。 海外での救援活動や、国内災害での支援活動で培った経験を活かし、被害に遭われている九州地域の被災地を迅速に支援し問題を解決できる様、1日も早い復旧・復興を目的としています。

福岡県大牟田市では、約640軒ある農業関係者のうち2割にあたる約160軒が、田畑や果樹園等の農地に土砂が流入し被害を受けています。来期の作付けに間に合うよう、1日も早い早急な復旧を目標に、行政、業者、ボランティア団体が連携して取り組んでいます。

令和2年7月九州豪雨災害での、大牟田市の農業支援活動で、農地に流入した土砂の撤去、田畑復旧の為に、マイクロプラスチック等の環境汚染に配慮した地球環境保全型災害支援の取り組みとして、強度も強く土に還る自然素材の麻袋や麻土嚢袋を活用して、作業に取り組んでいます。

設立の背景
熊本地震の支援活動の際、熊本県南阿蘇村での農業支援活動を行なっていたAAAアジア&アフリカの熊本地震特設サイト「南阿蘇ヘルプセンター」には農業支援ボランティア活動として大牟田市の方が参加していました。山間部における農地への土砂流入被害をうけた大牟田市では、一般住宅への水害被害だけでなく、来期2021年度の作付けまでに農地を復旧させ、 農家の来期の作付けができる様に生業への早期復旧の必要性が有りました。前述の大牟田市のボランティアの方々が問題解決のために農業支援ボランティアの取り組みを探していたところ、AAAアジア&アフリカの南阿蘇村での農業に特化したボランティアの重要性を知って、支援の要請を受けてものです。

AAAアジア&アフリカが大牟田市の被害状況を視察したところ、土砂の流入は機械での作業も難しく人力を必要とする状況を確認でき、更に現在の コロナ禍の状況も踏まえ、冬季のコロナが再猛威を振るう前に集中的に活動する必要性も感じて、支援を行うことを決めました。

実施内容
大牟田市役所農林水産課、大牟田市社会福祉協議会、地元企業、地元ボランティア団体、及び福岡県内ボランティア団体との連携を図りながら、インターネットやSNSを活用したり、地元広報誌などのご協力もいただいてボランティアを呼びかけ参加者を募集し、コロナ感染防止策を徹底しながら、最大限の迅速な早期復旧活動を行っています。
AAAアジア&アフリカは、土日を利用した県内ボランティア団体、地域住民との農地復旧 平日は地元企業の職員派遣の受け入れ、現場調査、復旧方法の打ち合わせ及び作業を進めていくコーディネートの役割を担っています。

作業内容としては、農地や作業場、水路の土砂だしや土嚢袋を使った簡易土砂崩れの復旧、再発防止措置などです。業者の作業範囲も打ち合わせしながら、ボランティアが必要な作業を行なっています。 状況により、ボランティアとしても重機も使用し作業の効率化を図っています。

また、マイクロプラスティック問題など、地球環境汚染問題も叫ばれる昨今、環境に配慮した環境保全型災害支援の為の、麻土嚢袋を活用し、特に農作物への環境配慮もおきながら、より地球に優しい災害支援活動になる様努力しています。
その他、災害ボランティア運営に興味を持った人への、運営指導やコーディネート方法などを行い、今後に発生しうる災害に対して地元の人で運営できる様に、被災者から支援者になってもらえる様に人材育成活動も併せて行なっています。

smart supply visionが運営している、被災地で必要な支援物資をAmazonの欲しいものリストと連携させて、支援が繋がるプロジェクトに登録して支援物資を募っています。

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2020年12月7日
一般社団法人AAAアジア&アフリカ
代表理事山崎毅史